岩手県薬剤師会検査センター

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レジオネラ属菌検査

当センターではレジオネラ属菌検査を行っています。

検査をご希望される場合は是非お問い合わせください。
採水ボトルをお送りいたします。採水後当センターに検水をお送りいただくことで検査を開始いたします。
また、当センター検査員による採水をご希望される場合、ケースによっては出張費をいただくことがありますのでご了承ください。

検査期間

検査方法検査期間
培養法7~12日
PCR法(生菌+死菌法)1日
(午前中に検水をいただければ夕方には速報をお伝えすることが可能です!)

レジオネラ症とは?

レジオネラ症(legionellosis)は、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)を代表とするレジオネラ属菌による細菌感染症で、その病型は劇症型の肺炎と一過性のポンティアック熱があります。
レジオネラ属菌は、もともと土壌や水環境に普通に存在する菌です。
しかしながら、快適な生活や水資源の節約のため、

エアロゾルを発生させる人工環境

  • 噴水等の水景施設
  • ビル屋上に立つ冷却塔
  • ジャグジー
  • 加湿器

などや

循環水を利用した風呂

が屋内外に多くなっていることなどが感染する機会を増やしているものと考えられます。

(NIID 国立感染症研究所より引用)

レジオネラ属菌の感染リスクが高い人は?

高齢者新生児は肺炎を起こす危険性が通常より高いので注意が必要です。
また、大酒家喫煙者透析患者免疫機能が低下している人等は、レジオネラ肺炎のリスクが高いとされています。

浴槽水は注意が必要

微生物が繁殖してできるバイオフィルム(生物膜、ぬめり)の中はレジオネラ属菌にとって格好の繁殖場所です。
そのため「浴槽水」は、ぬめり等ができやすく、感染源となりやすい。

検査項目 原水・原湯・上り用湯
(5項目+レジオネラ)
浴槽水の水質基準
(3項目+レジオネラ)
色度 5度以下
濁度 2度以下 5度以下
pH値 5.8以上 8.6以下
過マンガン酸カリウム消費量 10mg/L以下 25mg/L以下
大腸菌群 不検出/50mL 1個/mL以下
レジオネラ属菌 10CFU/100mL未満 10CFU/100mL未満
※検査頻度 1回/年 以上 循環無又は循環有毎日換水 … 1回/年以上
循環有連日使用 … 2回/年以上
塩素消毒以外の循環有 … 4回/年以上

公衆浴場法、旅館業法等により管理基準が示されています。
岩手県条例では、公衆浴場、旅館業の入浴施設に対し、「レジオネラ属菌が水質基準を超えた(検出された)場合は、保健所へ届け出ること」と定めています。

レジオネラ属菌検査について

培養法

検水を分取・濃縮し、分離培地で培養します。
レジオネラ属菌は発育が遅く、判定までに数日かかります。レジオネラ症防止指針において、検査期間は7日とされており、期間を短縮することはできません。(疑陽性の場合には最大12日まで検査期間は延長されます。)

迅速法(PCR法)

検水を濃縮し、リアルタイムPCRを行います。
検査時間が従来の培養法と比較すると非常に短く、5時間ほどで検査結果がわかります。
ただ、試薬など、ランニングコストが高価なため、培養法よりもかなり検査価格が高くなってしまいます。

そもそもPCR検査とは何か?

PCRとは正式には「Polymerase Chain Reaction (ポリメラーゼ連鎖反応)」と言い、その頭文字をとってPCR法、あるいは単純にPCRと呼ばれています。
対象となる検体(レジオネラ属菌の場合は検水)に菌が存在するかを調べることができる検査で、DNAポリメラーゼという酵素の働きを利用して、任意のDNA断片を増幅して検出する方法です。